ヒト幹細胞培養上清液とは?
幹細胞培養上清液は、成長因子(グロースファクター)やサイトカイン、インターロイキンやSODなど、優れた生理活性効果を持つさまざまな成分が含まれている高機能生成物素材です。動植物の幹細胞培養上清液でなく、ヒト(人間)の幹細胞培養上清液を使用することでより確かな免疫力の向上や美容効果が期待されています。
幹細胞培養上清液とは、ヒト幹細胞を培養・増産する過程で発生する「上澄み液」。この「上澄み液」には幹細胞から分泌された数百種類の「サイトカイン」が豊富に含まれています。
「サイトカイン」はタンパク質の一種であり、幹細胞から豊富に放出されています。
細胞間の情報伝達をする役割があり、細胞の増殖や分化を促進する働きがあります。また、ヒト幹細胞培養上清液中の情報伝達物質には、注目の成分「エクソソーム」も含まれています。
ヒト幹細胞の役割・どこに存在するのか
幹細胞は私たちの体の中のあちこちに存在している細胞です。幹細胞培養上清液のもととなるこの幹細胞は、複製や増殖をして自分のコピーをつくる能力(自己複製能)と、体を構成するさまざまな細胞に変化できる変化できる能力(分化能)の、2つの特徴的な能力を持っています。
私たちの体は数多くの細胞が、再生と破壊を繰り返して絶えず新しいものに入れ替わっています。幹細胞はこの細胞の生まれ変わりをサポートするために欠かせない細胞なのです。しかし、幹細胞は年齢とともに減少することが分かっており、新生児と80歳では1/200にまで減少します。歳とともにケガや傷の治りが遅くなるのはこのためです。
PRP療法・違いについて
再生医療の分野でも注目されている幹細胞培養上清液ですが、同じく再生医療の分野で実施されている治療法に「PRP療法」があります。
PRP療法は「多血小板血漿療法」ともいい、患者自身の血液から抽出したPRPを実施部位に注射します。幹細胞培養上清液療法と異なるのは、幹細胞ではなく血小板を使用する点です。
血小板は血管が傷ついたときに凝固して出血を止める働きがあります。また、さまざまな成長因子を放出する役割もあります。PRPで血小板を多く含む血漿を採取することで、損傷している組織を修復する効果が期待できるでしょう。
PRP療法も美容分野や整形外科分野で注目されていますが、前述のように血小板を使用する点が、幹細胞培養上清液療法とは大きく異なるところです。
ヒト幹細胞培養上清液 主な含有成分
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- EGF(上皮細胞成長因子)
EGF(Epidermal Growth Factor)とは、人間の皮膚のほかにも、唾液や母乳にも含まれており、アミノ酸から形成されるタンパク質の一種です。 EGFは肌において、角質層に働きかける役割を持ち、肌をなめらかに整えくすみ・たるみ・乾燥を補う役割が期待されています。 - KGF(ケラチノサイト増殖因子)
KGF(Keratinocyte Growth Factor)とは、EGF同様アミノ酸から形成されるタンパク質の一種です。 KGFは肌をなめらかに整える役割のほか、ヘアケアに優れ、健康な毛髪を育む役割が期待されています。 - IGF(インシュリン様増殖因子)
IGFは、人間の細胞に働きかける役割をもっており、皮膚の健康維持を助けるといわれています。 - 幹細胞培養上清液には、数多くの成長因子が含まれており、その数は500以上と言われています。そのうち、当院が扱う幹細胞培養上清液には以下のような成分が含まれています。
- EGF(上皮細胞成長因子)
- EGF : 上皮増殖因子
- VEGF : 血管内皮増殖因子
- TGF-β: トランスフォーミング増殖因子
- HGF : 肝細胞増殖因子
- KGF : ケラチノサイト増殖因子
- IGF : インシュリン増殖因子
- PDGF : 血小板由来増殖因子
- FGF : 線維芽細胞増殖因子
- TIMP : MMP 阻害因子
- IL-7 : インターロイキン 7
- GM-CSF : 顆粒球単球コロニー刺激因子
- EPO : エリスロポエチン
- TSG-6 : 抗炎症液性因子
- TPO : 造血因子
- mpCCL2 : 単球走化性因子
- IL-1Ra : IL-1 レセプターアンタゴニスト
- PGE2 : プロスタグランジン E2
- Gal-1 : ガレクチン 1
- Gal-9 : ガレクチン 9など
また、成長因子以外にも以下のような体にうれしい働きをする成分も含まれています。
- L- アラニル -L- グルタミン
- L- アルギニン
- L- シスチン
- L- グルタミン
- グリシン
- L- ヒスチジン
- L- イソロイシン
- L- ロイシン
- L- リジン
- L- メチオニン
- L- フェニルアラニン
- L- セリン
- L- スレオニン
- L- トリプトファン
- L- チロシン
- L- バリン
- 塩化カルシウム
- 硝酸第二鉄
- 硫酸マグネシウム
- 塩化カリウム
- 炭酸水素ナトリウム
- 塩化ナトリウム
- リン酸一ナトリウム
- 塩化コリン
- 葉酸
- myo – イノシトール
- ナイアシンアミド
- D- パントテン酸
- ピリドキサール
- ピリドキシン
- リボフラビン
- チアミン
- D- グルコース
- HEPES
- フェノールレッド
- ピルビン酸など
幹細胞培養上清液療法に期待可能な効果
幹細胞培養上清液を使った治療は美容分野だけでなく各種の病気にも効果が期待できることが分かってきました。例えば以下のような効果が得られます。
- 皮膚再生などのエイジングケア効果
- 薄毛の改善や発毛効果
- さまざまな症状や障害の改善など
幹細胞培養上清液で期待できる効果を以下となります。
皮膚再生などのエイジングケア効果
女性を中心に加齢とともに気になりはじめるのがシミやシワやたるみなどの肌の衰えです。幹細胞培養上清液には、シワやたるみ、肌のハリを改善する効果が期待できることが分かってきました。また、サイトカインの持つ作用により、肌のターンオーバーを促進して、傷の治癒を促して傷跡を目立たなくする効果が期待できます。
加齢に伴う肌の変化は、顔だけでなく首元や手の甲などの皮膚が薄い部分にも現れやすいです。普段使用している基礎化粧品では、塗布した部分のみの効果であるのに対し、幹細胞培養上清液を点滴することで全身に効果が期待できるでしょう。
■若返りの仕組み
上精液はサイトカイン・GF・エクソソームを含んでいます。若い人の幹細胞に含まれているエクソソームを老人に注射することで、若返ることが可能です。幹細胞を若返らせることで、免疫系も組織修復能も改善します。
薄毛の改善や発毛効果
歳とともに見た目で気になるのは肌の衰えだけでなく、髪が薄くなった抜けやすくなったなどの悩みも増加します。こうした悩みにも幹細胞培養上清液を使った治療は有効とされています。
幹細胞培養上清液に含まれる成長因子のPDGF(血小板由来成長因子)やIGF-1(インスリン様成長因子)は、発毛や育毛効果が期待できます。
幹細胞培養上清液で発毛や育毛をメインに治療する場合は、点滴ではなく頭皮に直接注入することで効果が高まります。直接注入することで、毛母細胞を活性化させて、髪の根本から薄毛を改善していきます。
さまざまな症状や障害の改善
幹細胞培養上清液にはさらに以下のような病気や障害を改善する効果が期待されています。
- 肝機能障害
- 腎機能障害
- 心血管障害
- 呼吸器障害
- 糖尿病の合併症
- 慢性炎症
- 記憶障害
- 睡眠障害
- 慢性炎症
- 抗うつ・不安
- 認知症予防など
現段階では、治験段階のものも多く、一般の患者に向けてはまだ治療を行えないものもあります。また、幹細胞培養上清液を使った治療は自由診療となるため、まずは既存の治療法に頼ることも大切です。
幹細胞培養上清を使った治療が向いている人
幹細胞培養上清を使った治療が向いているのは以下のような人です。
- 慢性的な体の不調を改善したい
- しわ・シミなどの肌トラブルを改善したい
- アレルギー体質を改善したい
- 睡眠障害や記憶障害を改善したい
- 関節の痛みを改善したい
- 薄毛、脱毛を改善したい
- 既存の治療法では十分な効果を得られなかった人など
炎症を鎮め傷ついた臓器を再生する「MSC-CM間葉系幹細胞上精液」による治療
新型コロナウイルス感染症で「後遺症」が発生することが多く散見されます。また、新型コロナウイルスの後遺症は感染した人の約3割以上が、罹患してから1年後も倦怠感や呼吸困難など何らかの症状を訴えているというデータもあります。この後遺症を引き起こす原因は、感染したあと体内に居座るコロナウイルスです。
人間の全身の臓器にはACE受容体という組織があり、新型コロナウイルスは呼吸器に感染したのち、全身に移動してあらゆる臓器のACE受容体に付着するのです。付着した受容体の臓器の機能が障害されて、激しい場合は全身が障害されることもあります。臓器障害が起きる理由はコロナウイルスが異物であり、体内の生体反応によって異物を除去しようと炎症が起こります。
よって、「炎症」を取り除く治療をしないかぎり後遺症が改善されないと考えられます。
炎症を取り除く良い方法が「MSC-CM」という「間葉系幹細胞上精液」の使用となります。
幹細胞とは、際限なく増殖する細胞でサイトカインという物質をどんどん放出して、自分の周囲の傷ついた細胞の再生を促進する性質があります。
ただし日本国内において、他人の幹細胞を自身の体内に入れることは法律で禁じられています。そこで、幹細胞を培養した過程で生成される培養液の上澄み「幹細胞培養上精液」を用います。
幹細胞培養上精液の中には、幹細胞から分泌された、成長因子、必須アミノ酸、増殖因子など、組織の炎症を抑え修復する成分が500種類以上含まれています。
各臓器の炎症を抑制して損傷組織の修復、ほかの臓器へのウイルス感染を防ぎ、免疫のバランスを取り戻す効果が期待できるとさえれています。