糖尿病という病名は「尿の中に糖分が出る」程度の軽い印象ですが、その実態は全身の強度酸化現象から人体が徐々に劣化していく全身病です。その最たる病態が全身の血管に起こる動脈硬化と、免疫力の低下です。空腹時の尿に糖が出たら重く受け止めましょう。
糖分(グルコース)は体にとってはすぐに使えるエネルギー源です。そのエネルギーを全身の細胞が上手に使えないという異常事態なのです。日常的に使えた円という通貨が、日を追うごとに使えなくなっていく構図をイメージしてみてください。お金があるのに使うことができない事態です。
生活習慣病の一つであるように「生活習慣」によって引き起こされた病態です。血糖は筋肉で直接消費するか、すい臓から分泌されるインスリンによって消費されるかです。運動せずに過食となれば、すい臓がインスリンを出し続けることとなり疲れ切って動けなくなることは容易に想像できるでしょう。日本一早い馬でも一日中走らせていたら倒れるようなことです。ですから、生活習慣により改善することが可能となるのです。
度を越してしまった糖尿病であれば、薬物による血糖コントロールは必要になります。生活習慣の改善と薬剤により対応してまいりましょう。
※2022年4月より『糖尿病足病変』が運動器リハビリテーションの適応疾患に加わったため、理学療法士が個別にリハビリテーションを行うことができるようになりました。
■診療の際は内科迄お問合せ下さい。■