【漢方内科】担当医師:天井 周
水虫は白癬のことを言い、皮膚糸状菌(白癬菌)という真菌(カビ)によって生ずる感染症です。
白癬菌はケラチンという蛋白を栄養源としているカビなので、ケラチンが多く存在する場所であればどこにでも感染します。ケラチンが多く存在する場所は皮膚の表面を覆う角層です。
足に生ずる白癬が足白癬で、白癬の感染症の中では最も多く、これが俗称の「水虫」に当たります。股にできるのが股部白癬で俗にインキンタムシ、髪の毛に感染したものが頭部白癬で俗にシラクモと呼ばれます。また爪に感染したものは爪白癬、手に感染したものは手白癬と言われます。股以外の体に生じた白癬は体部白癬と呼ばれ俗にゼニタムシとも言われます。
「足の指の間や足の裏がかゆい」、「足の指の間がふやけて白くなる、ジュクジュクする」、「足の指の間や足の裏の皮が剥ける」「足の裏に小さい水疱ができる」などの症状が毎年夏に生じ、秋になると自然に治る場合は、足白癬の可能性が高くなります。ただし、季節的変動がなければ足白癬の可能性は低く、足白癬と紛らわしい皮膚病もたくさんあります。皮膚科専門医でも見ただけでは診断がつきません。皮疹の一部を取って顕微鏡で検査をして白癬によるものかどうかを確認する必要があります。
治療の基本は抗真菌薬の外用です。通常の足白癬なら、毎日外用すれば2週間程度で良くなりますが、2週間程度の外用では白癬菌は残っています。また足白癬では、自覚症状のない部位にも白癬菌が存在します。塗り薬は指の間から足裏全体に最低1カ月間、毎日続けることが大切です。
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