膝蓋大腿関節症

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症状

膝は大腿骨と脛骨からなる膝関節と、大腿骨と膝蓋骨(膝の皿の骨)からなる膝蓋大腿関節の2つの関節があります。
膝蓋大腿関節において膝蓋骨の裏側は凸に、大腿骨の表側は凹になっており膝蓋骨が大腿骨の溝にはまるような感じになっています。骨と骨が接触している部分は軟骨があり、通常は摩擦はほとんどなく滑らかに動きます。

しかし、膝蓋骨がずれたり、炎症が起きたりすると、軟骨がすり減り痛みが生じます。そのような状態を膝蓋大腿関節症と呼びます。特に、膝の屈伸をする時に膝蓋骨が大腿骨にこすれるため痛みが出やすくなります。

原因

主な原因は膝蓋骨の不安定症と加齢による変化です。膝蓋骨が不安定になると、膝蓋骨が大腿骨の溝にうまくはまらずこすれて炎症が起きたり、軟骨がすり減ってしまいギシギシと音が鳴ったりします。

生まれつきの骨の形や、足が外反膝(X脚のように両膝の内側をくっつけても内くるぶしが接しない)だと膝蓋骨が外側にずれやすくなります。場合によっては膝を曲げた拍子に膝蓋骨が外側に脱臼することもあります。
また、加齢によって軟骨が摩耗していくと、骨同士が接触し痛みが生じます。特に、中高年の女性に多くなります。

治療

治療は保存療法と手術療法に分かれます。

  • 保存療法
    膝蓋骨の不安定症がある場合は、膝蓋骨がずれないようにサポーターを使用しながら、膝関節の可動域練習、太ももの筋力強化練習などを行います。
  • 手術療法
    保存療法を行っても痛みや不安定感が残る場合、反復して脱臼してしまう場合、脱臼時に骨折をしてしまった場合などは手術療法が行われることもあります。
    膝蓋骨の不安定症が原因の膝蓋大腿関節症では、膝蓋骨の内側の靭帯を再建(内側膝蓋大腿靭帯再建術)したり、膝蓋腱が脛骨に付く位置を移動させたりする手術(脛骨粗面前内側移行術)などを行い、脱臼を予防します。加齢による軟骨損傷が原因の膝蓋大腿関節症では、損傷部位を人工物に変える人工膝関節置換術が行われることが多いです。
    また、膝蓋大腿関節だけでなく、脛骨の軟骨も損傷していることが多いため、人工膝関節全置換術が行われることが一般的です。

腫れがあって痛みが続く場合や、脱臼を繰り返す場合は、早めの整形外科の受診をお勧めします。

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