椎間板ヘルニア

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椎間板ヘルニアとは

脊椎の間には、クッションの役割を果たす「椎間板(ついかんばん)」という組織があります。 この椎間板の中にあるゼリー状の組織(髄核)が、外側の組織(繊維輪)を破って脊柱管内へ飛び出した状態です。飛び出した組織が神経を圧迫することで、痛みやしびれを引き起こします。好発部位は第4腰椎と第5腰椎の間、第5腰椎と第1仙椎の間と報告されています。

※ヘルニア(hernia)とは、ラテン語で「脱出」を意味し、体内にある臓器や組織が、本来あるべき位置から突き破って、外側へ飛び出している状態のことです。椎間板ヘルニア以外にも鼠経ヘルニア(脱腸)、臍ヘルニア、腹壁瘢痕ヘルニアなどがあります。

症状

脱出している場所や程度によって異なりますが、一般的に以下のような症状が現れます。
症状の強さや頻度は身体的な要因だけでなく生活背景やストレスなどの精神的な要因も影響します。また、咳やくしゃみなどで増悪することもあります。

  • 腰の痛み
  • 足のしびれ・痛み(お尻から太ももの裏、すね、足先にかけての鋭い痛みやしびれ)
  • 感覚の鈍さ
  • 椅子に座る、前かがみになると痛みが強まる
  • 神経症状(「尿が出にくい、我慢できないなど」「足に全く力が入らない」「触った感覚が鈍い」といった場合は、早急な受診をおすすめします。)

原因

椎間板は加齢に伴って水分が減り、髄核と線維輪の二重構造が不明瞭になるなどの変性が進みます。こうした椎間板の変性に、喫煙、肥満、職業(悪い姿勢での作業や全身振動にさらされる職業など)などの要因や遺伝的素因が重なることで発症します。

飛び出した椎間板(髄核)が神経を機械的に圧迫し神経の血流・栄養障害や浮腫を生じる(神経障害性疼痛)と、椎間板由来物質や自己免疫的反応による炎症が加わって痛みやしびれが出現する(炎症による痛み)が混ざる「混合性疼痛」で、心理・社会的背景も症状の強さに影響します。

検査

レントゲン、MRI、CT検査で神経の圧迫を確認します。

治療

椎間板ヘルニアは自然に縮小・吸収して改善することがあります。症候性症例の約60%で自然退縮がみられ、平均しておおむね3か月で縮小するとの報告があるため、治療は原則としてまず保存的に開始します。

炎鎮痛薬や神経痛に対する内服薬の治療が行われ、痛みが強い時期には、腰部の安静やコルセットの装着などを行い、さらに症状が強い場合は、神経ブロック療法を行い痛みをやわらげます。急性期を過ぎれば、リハビリテーションなどを行うこともあります。

痛みが治らない場合や、日常生活に支障が出ている、下肢の脱力、排尿排便障害が出てくる場合には手術が行われます。

保存療法

  • 薬物療法:痛みを抑える鎮痛作用のあるお薬や神経の血流を改善する薬などを服用することにより、痛みを和らげます。
  • ブロック注射:神経を包む膜や、神経の周りに注射を打つことにより、痛みを和らげます。
  • 装具療法:不安定な腰椎にコルセットを巻くことにより、安定させ、痛みを和らげます。
  • リハビリテーション:筋力トレーニングを行い腰椎を支える筋力を強化して安定させ痛みを和らげます。また腰に負担の少ない動作や神経への負担を減らすストレッチを指導します。

手術療法

  • 内視鏡下ヘルニア摘出術(MED/FED): 1〜2cm程度の切開で内視鏡を挿入し、画面で確認しながら行う。術後の痛みが少なく、早期回復(数日の入院)が特徴
  • 顕微鏡下ヘルニア摘出術(マイクロLOVE法): 3〜4cm程度の切開を行い、顕微鏡で拡大しながら神経を保護しつつヘルニアを除去する、確実性の高い方法
  • LOVE法(ラブ法): 5〜6cm程度切開し、直視下(肉眼)で椎弓(骨)の一部を削り、ヘルニアを摘出する伝統的な手術
  • 椎間板内酵素注入療法(ヘルニコア): 薬剤を注射してヘルニアを縮小させる、身体への負担が極めて少ない治療法(切開なし)

ご家庭でできること

  • 「良い姿勢」を意識する:椅子に深く座り、背筋を伸ばしましょう。長時間同じ姿勢を続けないよう、こまめに休憩(1時間に1回くらい)を取ってください。
  • 重いものは「膝」を使って持つ:腰だけで持ち上げず、一度しゃがんでから体全体で持ち上げるようにしましょう。
  • 適度な体重管理:体重が増えると、その分だけ腰への負担が増加します。
  • 無理のないストレッチ:痛みが落ち着いてきたら、医師やセラピストの指導のもと、股関節や太ももの裏を柔らかく保ちましょう。
  • 股関節周囲のストレッチや体幹部の筋力トレーニング。

日常生活でのちょっとした意識が、回復を早め、再発を防ぐ鍵となります。
繰り返す痛みや期間が長くなっている痛み、しびれや下肢の感覚が鈍いなどの神経症状、痛みにより長く歩けないなど少しでもおかしいなと思ったら、医療機関を受診し、早めの治療をお勧めします。

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